第18話:工場の健康診断

毎年4月過ぎに健康保険組合から健康診断の案内がやって来ますが、いつも放置したまま。そして夏が過ぎ秋になる頃になると「そろそろ健康診断を受けに行かないといけない」と思い出します。

 

健康診断ではいろいろな検査をします。

心電図で心臓の状態を確認する、レントゲンで肺や胃の状態を確認する、視力検査や眼底撮影で目の状態を確認する、など個々の臓器の検査をします。

それとともに、必ず調べるのが個々の臓器を循環する血液の検査です。

血液は人間が必要とする栄養素を臓器や筋肉などに供給しつつ、その一方で老廃物も回収します。

血液は体じゅうを駆け巡っているので、血液を検査することで、個々の臓器を調べるだけで分からない、さまざまなことを調べることができます。

 

では、工場はどうでしょう?

工場は各ラインの生産性は高いか低いか、設備の稼働率は高いか低いか、倉庫や現場にある在庫は多いか少ないかなど、工場の個々のラインや設備や現場の状態を定期的に調べて評価します。

できれば、工場も人間と同じく個々を調べるだけでなく、血液のように工場全体をかけまわるものを調べることで、工場の状態をより的確に把握できるのではないでしょうか?

 

血液のように工場をかけまわるものないか?

 

工場は材料や部品を仕入れ、それを加工や組立てなどをして、製品が出来上がり出荷されます。

部品や材料として工場に入り、加工や組立てで仕掛品に変わり、製品として完成していく、この部品や材料、仕掛品、製品などのものの流れがどうなっているかを調べることで、工場全体の状況を的確に把握することができます。

材料や部品はいつどのようなかたちで入荷するか、そして倉庫にはどのように置かれているか、加工や組立て現場へはいつどのようなかたちで払い出されるか、加工や組立てではどのように作業されるか・・・・など

血液の検査とは異なりますが、ものの流れを追いかけていくと、いろいろなことが分かってきます。

 

社長の工場も、ものを追いかけることで健康診断をしてみませんか?

 

わたしも、まずは自分のからだの健康診断を申しこみます(笑)