第5話:社内に混乱を巻き起こせ

「とりあえずうまくやってくれ」

 

「・・・・・・」

 

しくみをカイゼンしていくときに気になる社長の一言。

 

しくみが変わる、現場が変わると

 

 

現場が混乱しないか?

 

お客様対応が混乱しないか?

 

 

いろいろな心配が頭をよぎります。しくみや現場が変わることで影響を受ける社員は変わることに二の足を踏みます。そんなとき、

 

 

「わが社は現場改善に取り組む。とりあえずうまくやってくれ」

 

 

なんていう社長の一言は社内に事なかれ主義を蔓延させ、結果的にお座なりの改善に終わってしまうこと、間違いありません。

 

あなたの会社も改善を始めるとき、こんな一言を言っていませんか?

 

 

 

ゴルフでなかなか切れなかった100の壁を突破したい。

 

そこでスイングの改造に取り組めば、改造途中は頭も体も混乱して、このまま続けても大丈夫か・・・・という気持ちになります。

 

ラウンドに出れば、スコアは100どころか120、130打つことも・・・・

 

これでは早々に元のスイングに戻したいところです。

 

しかし、そこであきらめずに日数を掛けて練習を重ねていき、新しいスイングに自分の感覚を合わせていく

 

そうすればやがて新しいスイングが自分のものになります。

 

そうすればスコアも徐々に良くなり、やがて100を切るでしょう

 

 

工場のものづくりや会社の仕事も同じです。

 

新しいやり方に変えた当初は、慣れないやり方に混乱して、必要以上に時間や工数がかかってしまいます。

 

しかし、新しいやり方に合わせた道具を考えたり、いろいろな工夫を重ねることで、徐々に今までより早く、安く、品質の良い仕事ができるようになります。

 

 

社長は自社のやり方を大きく変えるときは、

 

あえて社内に混乱を巻き起こすくらいの気持ちで取り組む

 

「新しいやり方に変えることで、いろいろと問題も起きるかもしれない。そんなときはどうしたらいいか一緒に考えていこう。社内に混乱が起きることを恐れず取り組んでいこう」

 

と全社に宣言すべきです。

 

そのためにも、社長はできる限り、現場に足を運び、現場の実態を見て、社員に声を掛けることが重要です。