第53話:品質を向上させるために大事なこと

どんなにコストダウンし利益を大きく増やしても、短納期対応で売上を増やしても、

不良品を出すわけにはいきません。

 

最近の食品の異物混入を見ても分かるように、不良品を出したために売上を大きく落とし、

品質対策でコストが大きくふくらみ、大きな赤字を出している会社もあります。

 

いかに不良品を出さないか

 

みなさんの工場はどのような手を打っていますか?

 

 

一番やりやすいのは、工場の出口で徹底したチェックをすることです。

 

不良がないか人間の眼でチェックするのです。

 

食品であれば異物が混入していないか、一つひとつチェックする。

 

しかし、人間のやることなので見落としがあってはマズイと、一人でなく二人三人と複数人でチェックしているところもあります。

 

しかし、際限なくやっていると人件費がふくらんでいきます。実際作っている人より多くなってしまうなんて冗談みたいなことが起きかねません。

 

やればやるほどコストがふくらむけど完全ではないし、簡略化すればするほど、不安になってくる

 

経営者としては悩ましいところです。

 

やはり、工場の出口でのチェックする以前に品質を確保すべきです。

 

そんなとき、言われるのが「工程で品質を作り込む」です。

 

ものづくりの過程で不良品ができないように、ものづくりの環境を整備していくのです。

 

とは言え、いきなり不良品ができない、ものづくりの環境ができるわけではありません。

 

日々のカイゼンで環境整備をしていくのですが、そのときの一番大事なのは作業標準をつくること。

 

いつ、誰が作っても、同じ作業で作れるように、作業標準をつくるのです。

 

問題が起きた時、いったいどのような環境で不良が起きたか

原因究明をしなければなりません。

 

ところが作業標準ができていないと、毎日どころか一個一個のつくり方が毎回違うなんてことになります。

 

そうなってしまうと、何が原因で不良が起きたか特定することはできません。

 

これが毎回同じやり方の作業標準が決まっていれば、

その作業標準のなかに原因が潜んでいるはずなので、

それを究明して、直せばいいのです。

 

なので、いきなり完璧な作業標準ができていなくても問題ありません。

 

日々のカイゼンで、毎日少しずつ良くしていけばいいのです。

 

まさに継続は力なり、毎日少しずつ、昨日より今日を良くしていく

 

そのために、まずは社長の会社も作業標準をつくりませんか。