第66話:ものづくりと情報システム、どちらが主役?

工場の情報システムと言えば、生産管理システム

 

受注情報や販売計画から製造指示や発注情報を計画し、

PDCAのサイクルを回すことで工場の生産業務を効率的に運営するのを助けてくれます。

 

ところで、生産管理システムを導入するときによく出てくる問題は

 

「うちの工場のやり方はこの生産管理システムに合っていないので仕様を追加・変更して欲しい」

 

そんな要望を一つひとつ受け入れると、当初の予算が二倍三倍と増えてしまいます。

 

だからといって、生産管理システムに無理やり合わせると、日々の生産管理業務が回らない。

 

いったいどうすべきなのでしょうか?

 

 

ここでやるべきことは、これまでのやり方ありきでなく現状の生産管理業務で

 

無駄な仕事をやっていないか?

 

やるべきことをちゃんとやっているか?

 

場合によっては、現状の生産管理業務を否定し、新しい生産管理システムのやり方に変えることも必要です。

 

ところが、それよりもっと大事なことがあります。

 

生産管理業務は、工場のものづくりのやり方によって大きく変わってきます。

 

いま見込生産だけど、製造リードタイムを短くして受注生産に変えよう。

 

見込みで買っている部品を、かんばんで使っただけ買う後補充方式に変えよう。

 

まとめてロットで生産しているのを、受注した分だけ一個流し生産にしよう。

 

これらのカイゼンをすれば、その効果として製品在庫、仕掛品在庫、部品在庫は減り、ひいてはコスト削減にもつながります。

 

そして、ものづくりのやり方が変われば、生産管理業務も変わってきます。

 

現場カイゼンによっては、生産管理業務は大きく変わってきます。

 

現状の生産管理業務を棚卸して、本来あるべき生産管理業務を描き、新しい生産管理システムを検討することが大事ですが

 

それ以前に共に今の工場でのものづくりがいまのままで良いのか、カイゼンする必要がないか、まで遡って考えることが大事です。

 

工場の主役は情報システムでも、生産管理業務でもありません。

 

工場のものづくりが主役ですから、そのものづくりがどうあるべきかが一番大事なのです。

 

ところが、なかには高額の生産管理システム導入によって、情報システムが主役になっている会社もあります。

 

これでは本末転倒です。

 

社長の会社はものづくりが主役になっていますか?