第12話:5Sの功罪

カイゼン活動を始めようとして、まずは手っ取り早く始められるのが5S。

わたしもカイゼン活動に関わり始めたとき、その内容を理解し、すぐに実践したのが5Sでした。

 

整理 : 必要なモノと不要なモノを分けて、不要なモノを捨てる

整頓 : 必要なモノをすぐに取り出せるようにする

清掃 : 仕事がやりやすいようにきれいにする

清潔 : 整理、整頓、清掃の良い状態を維持する

躾  : ルールや決めたことを守る

 

整理で要らないものと廃棄することで、もので溢れていた倉庫や廊下がすっきりし、整頓で必要なものをすぐに取り出せるようなると、ものを探す時間も大幅になくなり作業効率が上がる。

 

すぐに始められる、5Sのいい点です。

 

しかし、そんな5Sもいろいろ悩ましい点を抱えています。

 

せっかく整理して要らないものはなくなったハズなのに、数ヵ月もすると徐々にものが増えていき、気づいた時には倉庫や廊下がまたもので溢れてしまっている。

 

何をどこに置くか置き場所を決めたのに、決められた場所に欲しいものがない。

 

ということで再度、整理整頓をおこなってすっきりした現場にする。

 

しかし、またしばらくすると元通りに戻っている。

 

なにも清潔(整理、整頓、清掃の良い状態を維持する)をサボっている訳ではないのに・・・・

 

なんてことの繰り返しをしている工場は少なくないのではないでしょうか?

そうなると結果的に5Sが目的になってしまっている会社もあります。

 

5Sを始めて5Sは継続的に頑張ってやっているが、その次のアクションのないのです。

 

また、5Sで工場もすっきりして生産性も上がりはしますが、それを維持するのは並大抵ではありませんし、それだけでは思ったほど経営的に効いてきません。

 

5Sだけでは売上増、利益増やキャッシュフロー改善のような経営数字につながるカイゼンに行きつかないところが多いのではないでしょうか。

 

話は戻って、なぜ清潔な状態を維持できずに、またものが溢れてしまうのか?

 

それは、量のコントロールができていないからです。

 

何をどこに置くか置き場所を決めても、確保した場所に常に納まるかといえばそうもいきません。

 

安いからと言って大量に購入すれば決められた場所に置ききれずに、置けなかった分は他の場所に置く

 

置き場所をある程度確保したけど、思ったほどものが入らず、知らないうちに別なものが置かれている。(置き場所に余裕がある現場ならいいですが、余裕がないところは多いハズです)

 

5Sはすぐに始められていろいろと効果は出てその点はいいのですが、それに満足せずすぐに次のステップにいかなければなりません。

 

次のステップが何かはまた今度の機会にお話しします。