第2話:何のしくみをカイゼンするのか

「しくみカイゼンってなんのしくみをカイゼンするのですか?」

 

今、住んでいるマンションの大規模修繕の委員をやっていますが、同じ委員の方から質問されました。

 

工場であれば、

・現場でのつくり方、運び方、置き方、などのものづくりのしくみ

・材料発注をしたり、倉庫へ出庫指示をしたり、現場に作業指示をしたり、出荷指示をしたりなどのする業務のしくみ

・業務のしくみをバックアップする情報システムのしくみ

のすべてのしくみです。

 

カイゼンというと、現場の5S、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(seiketsu)、躾(Shitsuke)を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。

 

しかし、単に現場を整理・整頓だけではだめです。

間違いなく、数日経てば元の木阿弥です。

 

子どもの片づけを想像すれば分かると思います。せっかく片付けた部屋も数日経てばまた散らかってしまいます。

(みなさんの机の上も同じ状態かもしれませんが・・・・)

 

現場であれは、日々のつくり方、運び方、置き方などのものづくりのしくみを見直さなければ根本的にはカイゼンできません。

そして現場のものづくりだけでなく、現場に関わる業務のしくみやそれを支える情報システムもメスを入れることになります。

 

一方、業務のしくみのカイゼンとなると、日々の仕事のやり方を見直して情報システムが導入されますが、管理のできていない現場に立派な情報システムを入れても間違いなくうまくいきません。

 

工場のしくみをカイゼンするときには、工場のしくみすべてを見直さなければ、なかなか成果は表れません。

 

なんか体調が良くないなと思ったとき、風邪薬や頭痛薬を飲んで治ることもありますが、なかには思ってもいなかった病気に掛かっていたなんてこともありえます。

人間であれば、安易に自己判断しないで、専門医にに診てもらい、適切な検査、診断、処置をしてもらわなければなりません。

工場も同じです。

 

最近、品質が悪くなっている、コストが上がっている、納期に間に合わない、なんて傾向があるときに、

5S、ムダどり、情報システムの見直しなど、工場のしくみを部分的にカイゼンすることもありますが、経営数字につながるのはなかなか難しいところです。

経営につながる成果を得るためには、部分的な対処だけでなく、工場や会社のしくみ全体に踏み込んでカイゼンしなければなりません。

ものづくりのしくみ、業務のしくみ、情報システムのしくみ、これらすべてのしくみを工場全体いや会社全体でカイゼンしなければ、経営数字にはつながってきません。

 

ところでマンションは10年に1度、大規模修繕としてマンションのしくみ全体を見直します。

最初にマンションの検査をしたのですが、3年前の震災の影響で思った以上にマンションがダメージを受けていたようです。

当初の工事費用の見積もりをオーバーしそうでちょっと心配です。

しかし、定期的にちゃんと修繕しないと、マンションの耐久性に影響を与えかねません。

 

社長の工場のしくみも一度しっかり検査してみてはいかがでしょうか?