第33話:在庫を減らす順番

「なんでこんなに部品を抱えているんだ!部品の買い方がおかしいんじゃないか?いますぐ見直せ!」

 

御社もそんな事態は経験ありませんか、こんなとき部品の買い方だけメスをいれればいいのでしょうか?

 

実は在庫を減らすのには、順番があるのです。

 

いったいどんな順番で減らしていったらいいか

 

 

工場には工程の進捗に応じて、大きく3つの在庫があります。

 

製品在庫、仕掛品在庫、部品在庫です。

 

いったいどうやって在庫が溜まってしまうのでしょうか?

 

 

製品在庫は、売れ行き以上につくってしまうことで、売れ残ったものが在庫として残ってしまいます。

 

仕掛品在庫は、まとめてつくれば多くなりますし、部品を必要なタイミングより早めに払い出せば、現場に仕掛品在庫として滞留します。

 

部品在庫は、安いからといって必要以上にまとめて買ってしまい、結果的に使われなかった部品が在庫として残ってしまいます。

 

では製品在庫、仕掛品在庫、部品在庫のどこからメスを入れて行けばいいのでしょうか・・・・

 

 

もし、最初に部品在庫にメスを入れたらどうなるか?

 

 

部品在庫のお客様は工場の組み立てラインや加工現場です。

 

製品の売上が毎日平均化していても、現場の都合で「毎日ちょこちょこつくっていては効率が悪すぎる。まとめてつくった方が効率的だ!」となると

 

組み立てラインや加工の現場は「まとめてつくるから、まとめて払い出して欲しい」と要求が来て、部品倉庫は従わざるを得ません。

 

そうなると、部品倉庫はまとめて払い出すために部品在庫は多めに持たなければなりません。

 

部品業者との交渉で、地道に最小発注ロットを小さくしたり、購入リードタイムを短くすることで、部品在庫を着実に減らしてきても、生産現場がまとめて払い出して欲しいとなると、部品在庫削減も途中で滞ってしまいます。

 

部品在庫の大小は買い方だけでなく、生産現場のものづくりに依存してしまうのです。

 

部品在庫を徹底的に減らすためには、組み立てや加工はまとめてつくることなく、平準化(種類と数の平均化)してからでないとできません。

 

ものづくりの平準化ができれば、製品在庫や仕掛品在庫は減ります。そして、そのあとに部品在庫を減らしていくのが基本的な流れです。

 

ただ、御社の部品在庫が数か月分以上、山のようにあるのなら、ものづくりのやり方を見直して製品在庫や仕掛品在庫が減るのを待っている必要がありません。

 

いますぐ買い方にメスをいれて、できるところから部品在庫の削減に着手してください。