第38話:想定外の出来事に備えて

雪の多い今年の冬は、冬山登山、山スキーで遭難が頻発しています。

 

遭難しないためには、まずは

 

基礎体力と適切な装備が必要

 

基礎体力が十分なければ、登山途中で体力を失って立ち往生してしまいます。

 

いくら体力があっても、冬山用の登山靴、衣服がなければ寒さにやられてしまいますし、地図が無ければ誤ったルートを選択してしまいます。

 

しかし、夏山であればともかく、冬山であれば体力に自信がない人は行きませんし、

冬山に必要な装備もしっかりしたうえで出かけているはず。

 

となると、遭難した人は単に運が悪かったか、というと決してそうではありません。

 

遭難リスクを下げるためにはさらに重要なことがあるのではないでしょうか。

 

 

それは、経験と適切な判断ではないでしょうか。

 

天候の急変などの想定外の出来事に対して、どう対処するか、

さらに山頂を目指すか、下山するかを瞬時かつ適切に判断しなければなりません。

 

想定外の出来事が起きても、それにどう対処するか、ガイドブックにも地図にも書かれていません。

 

これまでの経験を元に適切な判断をしなければならなく、

そうなると冬山に経験が多い人、瞬時に適切な判断ができるリーダーシップに秀でた人と一緒にいくことが望まれます。

 

 

カイゼンも同じです。

 

カイゼンをするには

 

カイゼンの実行力、5Sやムダどりなどのカイゼン手段が必要です。

 

会議室で議論しているだけでは、現場は変わりません。

 

まずは実行が必要です。

 

「考える前に、やってみてから考えよう」

 

は一理あります。

 

しかし、やみくもにやっては非効率なので

5Sやムダどりなど多くの現場で取り組まれている手段を取った方がカイゼンは進みます。

 

では、5S、ムダどりなどを実践すればカイゼンはうまくいくか、

というとそれだけは大半のカイゼンは途中で行き詰ってしまいます。

 

カイゼンを推し進めていくと、職場や組織間の軋轢が起こったり、従来のやり方に対する現場の固執、これまでの評価制度やルールとカイゼンが合わないなど、

カイゼンが進めば進むほど想定外の出来事が現れます。

 

冬山での天候の急変と同じようなものです。

 

そのときに、適切に判断をしなければカイゼンが行き詰ってしまいますし、

誤った判断をしてしまうと、成果に結びつくのに遠回りをしてしまいます。

 

耳学問や書籍を元にでもカイゼンはすぐに始められますが、

もしできるだけ早く確実に成果を出そうとするときは

 

想定外の出来事が起きたら現場だけで解決できないことも多いので、適切な判断・指示ができるトップを巻き込むことと、

他社の工場見学で疑似的に経験を得たり、経験豊富なコンサルタントを活用するなど、自社の経験不足を補うことはカイゼンを確実に進め、成果を得る近道として重要です。