第59話:人員増の前に生産性向上
中小製造業のなかにも売上好調のところが増えてきました
増えた注文をこなすために人員を増やしたい、設備投資をしたい。
リーマンショックや震災後の景気減退のときに人員削減や
設備投資を控えていたので今こそと考えている社長も多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください
今の人員や設備はその持っている力を十分に発揮していますか?
まずは今、工場で抱えている能力を最大限に発揮できるよう、
カイゼンで生産性を向上させるのが先決です。
すべての人員増や設備投資が悪いとはいいません。
しかし、最近注文が増えて工場でこなせなくなってきたので
人員増や設備投資でなんとかしたいというのであれば
まずはカイゼンで生産性向上させ、注文増加分を吸収すべきです
アベノミクス効果もあり、景気は回復しています。
しかし、その一方でギリシア危機や中国のバブル崩壊などのリスクを謳う
新聞記事が無い日はありません。
昔の高度成長時代と異なり、景気後退、景気回復は、
短いサイクルで不規則に突然やってきます。
今の注文増加が一転して、注文が大幅に減ることも十分ありえます。
そうなったとき、工場はどうなるか
人員は余剰になり、設備稼働率は下がります。
余剰になったら、やむを得ず人員を削減するなんてことが起きるかもしれません。
でも、そんなとき、優秀な人材から辞めてしまいます。
新規購入の設備は、減価償却分を吸収できるだけの生産はなく、コストを圧迫します。
注文が増えた減ったで、安易に人員を増やしたり減らしたりすべきではありません。
できれば、注文が減ったとき、今までと同じ人員で仕事をするのではなく、
注文が減った以上に少ない人員で仕事ができるようにカイゼンで生産性を向上させる
手のあいた人員は、現場のカイゼンをおこなう、多能工化できるように教育・訓練する、などして能力アップを図ることです。
そして景気が回復して注文が増えたら、生産性の上がった現場で、全員で仕事をこなすのです。
社長の会社は、人を増やす前に、能力アップを図るべく、常にカイゼンしていますか?