第80話:要らないものの扱い方
「ワカイさん、整理で出てきた要らないものは捨てなければならないのですか?」
5Sの整理の説明を見ると
「要るものといらないものを分けて、要らないものは捨てる」
では、要らないものはすべて捨てなければならないのでしょうか?
生産現場、事務オフィス、自分の机の上を、今要るものと今要らないものに分けると
要らないものがたくさん出てきます。
みなさんの机の上で大量に山積みになっている書類は、大半が今要らないもの
そんな大量の資料から今必要な資料を取り出すのはたいへんです。
資料を探すだけで数十分掛かることも
もし、見つからなければ以前作った資料を再度作り直すなんてことも
出来上がった資料を提出した後に、山積みの書類の中から探していた資料が出てきたら泣くに泣けません
そこで今要らない資料は捨てて、机の上は今要るだけの資料にすれば
必要な資料はすぐに見つかり、仕事も効率的なのは言うまでもありません
そこで問題なのは今要らない資料は永遠に要らないわけではありません
明日要るかもしれませんし
来週要るかもしれませんし
来月要るかもしれませんし
来年要るかもしれませんし
5Sの教科書に則って今要らないからといって全て捨ててしまうわけにはいきません
ある工場では「今要らなくても、いつかきっと使うと思います。なのでとても捨てることはできません。だからうちの会社は整理がなかなかうまくいかないんです」
なんて言い訳をするところもありました。
では、整理をあきらめるか?
イヤイヤ、あきらめることはありません。みなさんの机の上の書類であれば
机の上は今要る書類だけ
日々の仕事に必要な書類は机の引き出しの中に
月に数回しか使わない資料はファイルに挟んで壁際のキャビネットの中に
数年に一回しか見ないような資料はダンボールに入れて工場の倉庫の隅っこに
二度と見ない資料はゴミ箱へ
使う頻度によって置き場所を分けますよね
生産現場も同じ、もし今要らないものがあれば生産現場の一等地に置いておくのはもったいないです。
ほぼ毎日の生産に必要な部品であれば生産現場の近くの棚に
月数回しか使わない部品あれば部品倉庫の奥に
数年に一回しか使わない部品は外部倉庫に
永遠に使うことがない部品は廃棄
資料も生産現場や倉庫のものも同じです。
すべてを捨てる必要はありません。
年末のこの時期、生産現場も机の上も整理をして
すっきりしたかたちで新年を迎えませんか?