第69話:「自工程中心」と「次工程のため」
「ワカイさん、いろいろとカイゼンに取り組んでるけど、目に見えて成果がでないんです・・・・」
という社長さんの相談をよく受けます。
全社でカイゼンに取り組もうと、「全社員がカイゼン提案をしよう、良い提案には賞金」というところもあります。
積極的に取り組み、全従業員が毎月数件出している会社もあります。
そこまで積極的に取り組みながら
製造コストは下がらない
在庫は減らない
投入から完成までのリードタイムは短くならない
従業員は熱心にカイゼンに取り組みながら会社の数字になかなか効かない
そんな会社はけっこうたくさんあります。
「従業員はカイゼン提案を書いただけで、実際にカイゼンしていないんじゃないの?」
なんて突っ込む人もいるでしょうが、ちゃんとカイゼンしていながら数字につながらないのです
なぜならば、
・カイゼンで必要工数が少なくなっても、空いた工数を有効活用できていない
・カイゼンで自工程は効率が上がったが、次工程の効率は逆に下がってしまった
なんてことがあるのです。
カイゼンは一人だけやっても数字につながりません。
工場は多くの人が協力しあって力を発揮し、ものづくりがなされています。
カイゼンを数字につなげるためには、工場と言うチームがお互い協力し合ってチームとして成果を出すようにカイゼンしていかなければなりません。
ある職場で、20%生産性が上がって、20%の工数の余裕が出たら
その工数を使って、他の職場の応援ができるようにしなければいけません。
そのためには他の職場に応援にいける環境、応援にいってすぐに戦力になる準備をしなければなりません。
また、カイゼンは自分の効率が上がることも大事ですが、次の人の効率も考えなければなりません。
同じものをつくり続けたので生産性は上がったが、次工程の人が欲しい物はつくらなかった、なんてことでは本末転倒です
場合によっては自分の効率が悪くなっても、次の人の効率がそれを穴埋めしても上回るなら、自分の効率が悪くなることも是とすべきです
ひとり一人ではなく、チームとして成果が出る動きにしなければなりません。
自工程だけ良ければいい、ではなく、次工程のことも考える、そんな工場にしてみませんか?
社長の会社はチームワークができていますか?