第110話 安心よりドキドキ
「何か起きることを考えると、しっかり在庫を持っていた方が安心するんですよね」
急な注文もたっぷり在庫があれば安心
仕入れ業者が納期遅れを起こしてもまだまだ在庫があるから安心
生産ラインがストップしても在庫があるから安心
などなど、在庫さえあれば何かトラブルが起きても安心です。
もちろん在庫を持つことは必要です。
しかし、安心できるまで山ほど在庫を持っては駄目です。
いったいどれだけ持ったら安心できますか?
山ほど持った在庫は、売れ残れば在庫は廃棄でコスト増。
売れていれば在庫が減っていきますが、山ほどあるとついつい安心して欠品してしまうなんてことも起きます。
そろそろ在庫が無くなると急に注文しても、めったに買わないので業者もすぐに持ってきてくれないなんてことも十分あり得ます。
そんなことならいっそのことできるだけ在庫を少なく、安心を大きく通り越してドキドキするくらいの少ない量にしてみませんか?
そしてそろそろ在庫が無くなったら、少しずつ買う、少しずつ作る。
そうすれば、余ることもなく、欠品も少なくなります。
ただし、常に在庫は少ないので毎日ドキドキです。
さらにただ単に、量を減らしてドキドキするだけでなく、そのために少量、頻繁に買う、つくるためのカイゼンをするのです。
ある社長は在庫をギリギリまで減らした自社の生産を、ドキドキ生産と名付けました。
山ほど持っていた時と比較して在庫90%削減、欠品ゼロという数字をたたき出していました。
結果、コスト削減、利益増、売上増、資金繰り改善という成果を生みだしました。
社長の会社も今年のスローガンに「ドキドキ」を入れてみませんか?