第16話:ゴルフとしくみカイゼン
経営者の方でゴルフをやられる方は多いと思います。
ある程度出来るようになると、まずスコアは100を切ろうとがんばります。
100を切ることができれば、そこで満足する人もいれば、さらに上を目指す人もいます。
以前知り合いのゴルフコーチから聞いた話ですが、目指すゴルフ(スコア)で教える内容を変えるそうです。
ある人は「周りに迷惑を掛けないように先ずは100を切れればいい」と言い、
ある人は「やるからには上達してシングルを目指したい」と言う。
いったい、どのように教える内容を変えていくのでしょうか?
「先ずは100を切れればいい」と言う人には気になる点をすべて修正するのではなく、グリップの握り方などそのうちの何点かだけ修正する。
しかし、「やるからには上達してシングルを目指したい」と言う人にはスィングを根本から修正する。
わたしは100を切れればいい人もシングルを目指す人も、教える内容は同じだと思っていましたが、目指すスコアによって教える内容が異なると聞き、なるほどと納得しました。
会社も同じです。
目指す目標によってしくみを改善する内容が変わってきます。
たとえば、在庫削減。10%の在庫を減らすのと、50%減らして半減するのでは、改善内容は大きく変わってきます。
10%減の目標であれば、発注方式の見直しだけで実現できるでしょう。
しかし、50%減らそうとすると発注方法の見直しだけでは実現できません。
会社のしくみを根本から改善しなければなりません。
平均110のゴルフスコアの人が、理論書を読んで一生懸命練習すれば100を切れるでしょう
しかし、理論書と練習だけでシングルになろうとすると並大抵ではありません。理論書を読んで自分のスィングを変えようとしても、スィング全体を変えていくとなると頭で理解しても体でなかなか実現できません。
また、いままでのスィングと新しいスィングの感覚がまったく異なり、新しいスィングに違和感があり、なかなか新しいスィングに移行できないでしょう。
また、ラウンドで新しいスィングを試してちょっとうまくいかないと自信を無くして、また元のスィングに戻してしまうのではないでしょうか。
在庫削減も50%減らそうとなると、会社のしくみを根本的に変えることになります。理論書を読んで、しくみを変えようとしても、現場や各部門が新しいやり方に違和感を感じて抵抗するでしょう。
また、新しいしくみに変えて何か問題が起きると、それ見たことかとすぐに元のしくみに戻してしまうでしょう。
シングルプレイヤーになったり、在庫を大幅に削減する、にはどうしたらいいでしょう。
いままでと異なるあるべきスィングに変えたり、会社をあるべきしくみに変えるには、外部の力をうまく借りることです
ゴルフであればゴルフコーチ、会社のしくみであればコンサルタントです。
理論的にしっかりした、コーチやコンサルタントの指導で適切なやり方で進めていき、うまくいかないときは助言を求めます。
スィングを変えていくなか、会社のしくみをカイゼンしていくなか、実力がついてなくついつい妥協してしまいがちですが、その都度コーチやコンサルタントに原理原則から本来やるべきことを指摘してもらうことも重要です。
ところで、わたしはゴルフコーチのレッスンを受けましたが、正直シングルプレーヤーには程遠いレベルです。
しかし、もし自分で理論書を読んで我流で練習していたら、いまだに100を切れていなかったでしょう。
うまく外部の力を借りるのは重要ですが、最後は自分の努力ですね。わたしのゴルフはまだまだ努力が足りないということですね。