第17話:まとめ作業は効率的か?
以前、テレビ東京の夜10時台の経済番組で広島のスーパーでのカイゼン活動が紹介されていました。
テレビで放映されたカイゼン事例は「キャベツのカット」
キャベツ1個はちょっと多い、というお客さん向けに1/2または1/4にカットされたキャベツが売られています
そのキャベツ1個を1/2、1/4にカットしている作業は各店舗のバックヤードでおこなわれているのですが、その作業をより短い時間でおこなえないかカイゼンがおこなわれていました
以前の作業のやり方は
1 十数個まとめてキャベツを1/2にカットする
2 1/2にカットされたキャベツを十数個まとめてラップする
というやり方でした。
まず、ひたすらキャベツを十数個カットする。そしてその次にカットされたキャベツをひたすら十数個ラップする。多くの人が同じように作業するでしょう。
そしてカイゼン後の作業のやり方は
1 1個キャベツを1/2にカットする
2 1/2カットされたキャベツをすぐにラップする
3 1と2をキャベツの個数分、十数回繰り返す
カットしたらすぐにラップというやり方です。多くの人がなぜ1個ずつやるの、まとめてやった方が効率的なのにと思うでしょう。
しかし、作業時間はカイゼン後の1個ずつカットしてすぐラップする方が20%以上時間は速くなっていたのです。
どうもわれわれはまとめてやった方が効率的だと思いこんでいるところがあるようですが、実態は決してそうではなかったのです。
そして、この1個ずつカットするというやり方は作業時間を短くする以上の効果が期待されます。
まとめて作業をするときは、できるだけ多くのものをまとめてやろうとします。しかし、そこには落とし穴があります。
まとめてやった分がすべて売れるかです。
まとめてやった方が効率的だとキャベツを100個カットしたとします。しかし、思惑が外れて半分の50個しか売れなかったら、店頭在庫として翌日に持ち越し。
翌日カットされたキャベツの断面は黒ずんでいるかもしれません。そうなると正価で売れず、値下げして売らなければならなくなるかもしれません。
これがカイゼンで1個ずつ切ることに抵抗がなくなれば、店頭で売れた分だけ必要な数だけカットするということができるようになります。
まとめてやる作業は必ずしも効率的とは言えないと共に、余分なものをつくってしまい、過剰在庫の原因になるのです。
みなさんも一度自分の身の周りのまとめ仕事をチェックしてみてください。