第24話:カイゼンを始めるタイミング
カイゼン活動は設備やITのように投資をすれば、すぐに成果を期待できるものではありません。
現場の人たちやスタッフの人たちが時間を見つけて、自ら工数をかけて活動しなければなりません。
となると、自社の状況を踏まえてカイゼン活動を始めようとなっても
時間がない
工数がない
他のことが大変でそれどころじゃない
となかなか具体的アクションにつながらないこともよくあります。
売上が大きく増えているときは、生産現場はものづくりにてんてこ舞いで、カイゼンに工数をかけられない!
売上が大きく落ちると、請負や派遣を減らしてしまい、社員が忙しくなり、カイゼンに工数をかけられない!
たとえカイゼンしても、工場への投入が少なくなり、その成果を評価することができない!
売上が大幅に増えているわけでもなく減っているわけでもなくても、今度は顧客からのクレーム対応でてんてこ舞い。カイゼンに工数をかけられない。
と次から次へと理由が出てきます。
売上の大きく増えて現場がてんてこ舞いになれば、人を増やして何とかしようとしますが、一旦増やした人はなかなか簡単に減らせません。
売上の大きな落ち込みに対して、経費カット、人員カットをおこなえば、一時的にしのぐことはできますが、働く人のモチベーションは下がり、辞める人も出てくる、人と共にノウハウが流出してしまうリスクも出てきます。
クレームは、一つひとつ対応していかなければなりませんが、その場限りの対応では永遠にモグラ叩きです。
そんなとき、カイゼンを始めれば、
売上が大きく伸びている企業は、カイゼンで人や設備を増やすことなく生産能力がアップして、現有能力で増えた売上を吸収できます。
売上が大きく落ち込んでいる企業は、カイゼンで損益分岐点が下がり、一個あたりの原価も下がり、売上が落ちても赤字を回避できます。
クレームが多発している企業は、カイゼンでクレームの原因を潰すことによって、クレームも収束していきます。
売上が落ち着いたら、不景気が回復したら、クレームが落ち着いたら、ではなく、
できることなら今すぐにカイゼンに着手すべきです。
カイゼン活動は特別な取り組みではなく、日々の仕事の一つです。
場当たり的な取り組みでなく、設計図を描いて、計画を立てて、日々少しずつカイゼンしていくべきです。