第31話:「無理です」「出来ません」と言われたらどうする?
社員は何か命ぜられると、二言目には「無理です」「出来ません」と言うものです。
カイゼン活動でも5S、ムダどりであれば、「無理です」「出来ません」とは社員は言いませんが、会社のしくみ、ものづくりのしくみを根本的に見直していこうとすると
今までと違うやり方でやってみようということも多くなり「前例がないので無理です」「やったことがないので出来ません」という答えが返ってきます。
社員の「無理です」「出来ません」をあっさり受け入れていては何も進歩はなく、競合他社に打ち勝つことはできません。
「無理です」「出来ません」と言われたらどうしますか?
そんなときに気をつけなければならないのは「無理です」「できません」と言われた時に「そんなことはない、できるはずだ」と言っていけません。
社員が「できません」と言っているので、「できるはずだ」といっても堂々巡りです。
カイゼン活動で競合他社を凌駕しようとしているときに、社員が「できる」というレベルにチャレンジしても、それは競合他社がすでに実現しているか、競合他社に先んじて実現できてもすぐに追いつかれるでしょう。
だからそのときには、「できるかできないか、まずやってみなければ分からない」と言う必要があります。
そして社員がやってみて失敗しても、トップはそれを叱責してはいけません。
「やってみろ」と言っておきながら、いざ失敗するとお前のやり方が悪いと叱責していては誰もチャレンジしません。
もしうまくいかなくても、トライしたことを褒め、別なやり方を考えてみようと言えばいいのです。
競合他社に打ち勝つためには、競合他社がやっていることをやっても優位には立てまません。
他社が手を出さないようなことに積極的に踏み込み、それをカイゼンでクリアしていくことが大事です。
そのためには、社員には失敗してもいいので、どんどんトライさせることが大事です。