第37話:くりかえしをつくる
昨年のペヤングから始まり、マクドナルド、和光堂と食品への異物混入問題が
メディアを賑わしています。
食品に限らず、メーカーにとって品質問題は重要。
異物混入を含めて不良を全くゼロにするのは難しいです。
しかし、難しいからと言ってやるべきことをやらないのはNG
まずやるのは工場の出口で不良がでないように徹底的にチェックすること。
ただし、それでは不良を起こした根本的な原因をつぶせません。
実は根本的な原因を潰すために、まずやるべきことがあります。
そこで社長に質問です。あなたの工場の仕事のやり方は①と②のどちらですか?
① 各自の創意工夫に任せて毎日、毎回仕事のやり方を自由に変えてもOK
② 毎日、毎回同じやり方を繰り返す、自由に変えるのはNG
さて、御社はどちらですか?
②だと、毎日、毎回同じやり方になると飽きてしまうし、
各自の創意工夫を尊重すべきで①でいいんじゃないか・・・・
と思った社長さん、品質をカイゼンしていこうとなると、①では正直難しいです。
お客様に提供した商品に異物混入などの不良があったとき、
なぜ不良が起きたか当然ながら原因究明をします。
どのような現場で、誰が、どのような作業をしたか調べます。
すると現場から
「毎日、毎回、創意工夫をして仕事をするように言われているので、
不良を起こした商品を、どのような作業をしたか覚えていません」
と答えが返ってきます。
毎日自由に仕事のやり方を変えていたとして
毎日どのように作業をしたか克明に記録する作業者もいません。
そんなことをやらせたら膨大な手間になります。
結局、なにが原因だったかはわからず仕舞いです。
一方、毎日、毎回同じやり方をしていれば、原因究明もやり易いです。
どこで不良を起こす可能性があるか、毎日、毎回くりかえしているところの
決まった作業を検証すればいいからです。
この毎日、毎回くりかえす作業を標準作業ともいいます。
もし、原因が特定できたらどうするか?
これまで毎日、毎回くりかえしていた作業を不良が起きないようにカイゼンして
新しいやり方に見直せばいいのです。
そうして今度は新しいやり方を毎日、毎回くりかえすことになり、
今回不良を起こした原因による不良はもう二度と起こらなくなります。
また、しばらくして別な原因による不良が起きるかもしれませんが、
またそれも見直してさらなる新しいやり方にすればいいだけです。
こうやって、不良が起きるたびに一つひとつカイゼンしていけば、
不良発生はだんだん少なくなっていきます。
毎日、毎回、同じ作業をくりかえすだけでは不良はなくなりませんが
毎日、毎回くりかえす標準作業をつくることで
不良を減らしていく土台ができるのです。
社長、現場の作業は同じ作業のくりかえしができていますか?