第39話:現場に矛盾を起こしていませんか
現場がどのような状況になっているか知るためには、
コンピューター端末のキーボードを叩けばある程度見えてきます。
ある製品の今ある在庫が、適正な量かどうかを判断しようとすれば
(1) その製品の製品コードを端末のキーで叩いて、在庫数を確認する
(2) その製品の前月の出荷数を確認する
(3) (1)を(2)で割って、いまある在庫が何か月になるか計算する
売れ行きのいい製品なのか、売れ行きの落ちている製品なのかで、(3)の結果から今ある在庫が適正か否か判断します。
ただ、それは今製品倉庫にある在庫です。
ぜひそれだけでなく、実際現場に足を運んで、現地でその製品を見てみること。
現場に足を運ぶとこんな会話が・・・・
いま売れ行きが落ちている製品でありながら、売れ行きのいい時と同じように、大ロットでつくっていたら、社長はきっと言うはずです。
「なんでこんなに大量にまとめてつくっているんだ。
売上が落ちている製品をさらにこんなにつくっても、売れない在庫を増やすだけだ。
いったいなにを考えているんだ」
と、でも現場の担当者はこう答えるのでは・・・・
「いや、これ以上小さなロットでつくると、段取替えが増えて稼働率が下がります。
最低でもこれくらいのロットサイズでつくらないと・・・・」
現場の担当者は、毎月の会議で稼働率をもっと高めるようと言っている社長の指示を
しっかり守っているのです。
さて、稼働率を取るか、それとも稼働率が落ちても売れに応じて作るか、
これは現場の担当者で判断できることではありません。
「稼働率は落としてもいいから、今は作るな」
と社長が状況を踏まえて適切なメッセージを発しなければなりません。
いまどのような生産が行われているかは、コンピューター端末のキーを叩けばわかりますが、
それだけでは見えてこないこともたくさんあります。
実際に現場に出て、なにが起きているかを知る。また、その状況を肌で感じて見ることは大事です。
あまり現場に足を運んでいない社長は、ときには現場に出て、
自社がどのようにものづくりをしているか、仕事をしているか見てみませんか?
自分の発言で矛盾を起こしていることが見えてくるかもしれません。