第42話:コストを減らしたければ、まず在庫を減らせ
製品のコストは、仕入費、労務費、経費から構成されます。
そこでコスト削減となれば
いかに安いものを仕入れるか
いかに安くつくるか
いかに経費を少なくするか
と、仕入費、労務費、経費を個々に削減します。
個々のコストを削減することは大事ですが、決して忘れてはいけないことがあります。
それはなんなのか・・・・
どんなに安いものを仕入れても
どんなに安くつくれても
どんなに安く経費が済んでも
必要以上に材料・部品を買ったり、売れている以上に余計に製品をつくってはダメです。
必要以上につくったり、買ったものは、在庫として残ります。
つくったときは、今売れなくてもいつか売れるだろう
買ったときは、今必要なくてもいつかは必要になるだろう
と思います。しかし、今の時代、製品のライフサイクルは短いですし、海外を含めた競合メーカーが次から次へと新製品を出してきます。
いつかは売れる、いつかは必要になるという、「いつか」はもうやって来ません。
残った在庫は月日が経つと価値が無くなり、やがて売り物にならなくなります。
そうなると投下した資金がムダになってしまいます。
コスト削減で、1個あたり10円、20円安くつくった商品が、売れ残ったとき、もし廃棄なんてことになったら数百円、数千円を捨てることになってしまいます。
小さな努力が、一気に吹き飛んでしまいます。
これで大きな赤字を出している会社がたくさんあります。
(わたしが在籍していた電機メーカーもそうでした)
コツコツと作業カイゼンに取り組んで、従来より少しでも安くつくることは大事ですが、並行してコツコツつくったものを大量に捨てないようにすることです。
そのためには、いま必要以上に買わない、いま売れる以上に余計につくらないことが大事です。
コスト削減するのであれば、作業改善とともに在庫削減にも積極的に取り組むべきです。