第43話:工場はどこで勝負するか
ものづくりで問われるのは、まずはコスト。
利益 = 売上 - コスト
売上を大きくし、コストを小さくすれば、利益は大きくなります。
売上拡大は営業の仕事、コスト削減は工場の仕事
誰からも異論は出ないでしょう。
しかし、工場がコストを飛躍的に下げることができれば、製品価格を大きく下げて競合他社に価格で勝負をすることができます。
しかし、デフレ時代の昨今は、製品価格は下がりきっており、コストも十分に下げてきたので、さらなるコスト削減は限界に近いところです。
(そうでないところもまだまだありますが・・・・)
となると、やっぱり工場は売上拡大に対して貢献できないのか・・・・
じゃあ、コストが駄目なら品質は?
わが社の品質は他社よりいいので、営業が品質を売りに競合他社に優位に立てるか?
いやいや、品質はいいのが当たり前。
万が一、品質が悪ければ、品質チェックを二重三重とやって、不良品が市場に流出することを防止します。お客さんからすれば、どこも品質に大きな差はありません。
(品質チェックをたくさんすれば、コストはどんどん増えてしまいますが)
じゃあ、工場が売上をバックアップするのはあきらめるか・・・・
いやいや、あきらめるのは、まだ早いです。
QCDのD、デリバリーがあります。
大半の製品は、その機能、価格、品質は各社どれをとってもほとんど差がありません。
しかし、注文してから納品されるまでの時間、商品が欠品なく品揃えができているかは、各企業の努力、ものづくりのしくみの完成度によって異なります。
パソコンをインターネットで購入するとき、メモリー、ハードディスクを選択し、ソフトウェアを決めて、「購入」をクリックする
各社の配送までの日数はどこも一緒かというと、各社違いがあります。
もし、自宅のパソコンが壊れて、近くに店舗もなく、インターネットで購入しようということになっていれば、
どこが一番早く納品されるかを見比べるはずです。
パソコンに限らず、納期は重要な判断基準。
すべての注文を短納期で対応するためには、現場や生産管理のがんばりだけではできません。ものづくりのしくみを短納期で無理なく作れるように変えるのです。
うちの工場はどこで勝負するか悩んでいたら、どこよりも早く作って、早く届けることができる、ものづくりのしくみで勝負しませんか。