第44話:二兎を追う者は二兎を得る
在庫をできる限り少なくするにはどうしたらいいでしょうか?
一番少なくなるのは、受注してから必要な材料や部品を購入して、製造することです。
しかし、そうなると受注から出荷までの日数は、購入日数と製造日数を足し合わせた日数です。
お客様の発注から納品までの希望日数より短ければいいのですが、超えてしまうと
「そんなに日数がかかるのなら、ほかの会社から買うわ」と言われ受注できません。
一方、できるだけ短納期対応するためにはどうしたらいいでしょうか?
一番早くなるのは、製品在庫で構えておいて、受注したらすぐに出荷すること。
もしくは、製造過程の途中で在庫を用意しておき、受注したら製造過程の途中から一気につくりあげてしまうことです。
そのためにには製品または製造過程である程度在庫を持たなければなりません。
しかし、その在庫が残ってしまうとロスになってしまいます。
1 在庫は少くするが、短納期対応はあきらめる
2 在庫を持って短納期対応を図るが、ロスは覚悟する
ひょっとして、1か2の二者択一で考えていませんか?
ここは、二者択一でなく、在庫を少なくしつつ、短納期を図るの両取りで行くべきです。
製品在庫または製造途中で在庫は持つが、その量を必要最低限にすればいいのです。
そんなことができるのか?
在庫を持つ量は、出荷または出庫したときに何日で補充できるかで決まります。
数週間かかるとなると、持つ量は数週間分ですが
2、3日しかかからないのであれば、持つ量は5、6日で済みます
減ったときに補充するための、製造する日数をカイゼンで圧倒的に短くできれば
納期短縮と在庫削減は同時にできます。
納期短縮で売上増、在庫削減でコスト減
「二兎を追う者は一兎も得ず」ではなく「二兎を追う者は二兎とも得る」を狙うべきです。