第60話:社員のがんばりに頼っていませんか?
お客さんから不良のクレームがきた!
お客さんから納期督促が来ているけど間に合わない!
なんて声はあまり聞きたくないですが、そんな声が毎日聞かれる工場もけっこうあるのではないでしょうか。
いわば異常な状態が、定常的に発生しているのです。
よくそんな状態でよく生き残っていると思う方もいるでしょう。
そんな会社では
「いやぁ、うちのメンバは良くやっているよ。不良が起きたらすぐにお客さんに飛んで行って、まずは誤ってすぐに対処しているから大ごとになっていないよ。本当に良くやってくれているよ」
「納期遅れになりそうになったら、お客さんに連絡して、実際組み立てて使われる日程を確認して、お客さんに迷惑にならないようにしているから大丈夫だよ。本当にうちの社員は状況に応じて動いてくれるから助かっているよ」
なんて声が聞こえてきます。
品質問題、納期問題など問題が起きたら、実態を把握して臨機応変に動くことが大事です。
しかし、それが定常的に起きて、当たり前のような状況になっていていいでしょうか?
なぜ、問題が起きるか、どうしたら問題を起こさないですむか、といった本質的な手が打たれているでしょうか?
日々起きる問題について表面的に対応していることが多いのではないでしょうか?
表面的な対応といっても、社員がそれはうまく対応しているので事なきを得ているなんてことがありませんか。
しかし、発生した問題は、ちゃんと問題としてお客さんは認識しています。
また、いくら臨機応変に対応しても、そのために、お客さんも自社の社員も余計な工数をかけています。
お客さんの部門長やトップが人事異動で変わった時、あなたの会社はどう見えるでしょうか?
品質問題をいつも引き起こし、納期遅れも日常的に起こしている、問題の仕入先としか映らないでしょう。
そんななかで、徐々に取引量が少なくなっていくなんてことがないとは言い切れません。
臨機応変に対応するのは異常事態のときだけ、通常は会社のしくみをしっかりつくり直して、品質問題や納期問題が起こらないように整備しておくべきです。
もし自社が、社員のがんばりで毎日問題をクリアしていると思われたら、いちど自社の会社のしくみに問題がないか、振り返って見ることが大事です。
社長の会社は、大丈夫ですか?