第83話:どう運ぶか考えていますか
「ワカイさん、作業者や設備の生産性は上がったのに経営につながらないのは、なぜですか?」
生産性を上げるためにおこなう一つがムダどり
ムダをとるために着目するのが、作業者や設備
今までより速く作ろう、そして時間あたり多くの生産をしようと
作業者の動きのムダをなくしていきます
そして従来より10%、20%生産性が上がって、
材料の投入から製品の完成までのリードタイムが10%、20%短くなるかというと
そうはうまくいきません、なぜなのか?
その1つの理由が運び方です。
ところで郵便物はどのように届けられるか知っていますか?
ごく簡単にお話しすると以下のようになるでしょう。
ポストに投函されたハガキは、ポストが一杯になると、郵便局員が回収して一通一通宛先に運んでいるなんて思っていないですよね。
郵便局員は決められて時間(1日に数回)にポストから郵便物を回収します。
そして回収された郵便物は地域の集配センターに集められて、地域ごとに仕分けされます。
決められた時間までに集まった郵便物が、トラックで各地域の集配センターに運ばれます。
地域の集配センターに届いた郵便物は、郵便局員がそれぞれ決められた配達地域に郵便物を届けます。
おおまかですが、ざっとこんな流れになるでしょう。
郵便物を運ぶことが、一つのしくみとして構築されています。
これは宅急便の運搬も同じです。
それに対して、みなさんの工場の運搬、物の運び方はしくみとして構築されていますか?
実は大半の工場は、運ぶことについては、あまり真剣に考えられていません。
ある程度完成品が溜まったら、作業者が仕事の合間にまとめて運搬ではないですか?
しかし、そんなやり方ではいくら作業者や設備の生産性が上がっても、その効果が物の運び方次第で会社の経営数字につながってこないのです。
社長の会社も、今年は物の運び方に注目してみませんか?