第85話:何のための「かんばん」ですか?

「ワカイさん、在庫を減らすためにはヤッパリ『かんばん』ですかね?」

 

「かんばん」と言えば、「トヨタ生産方式」

 

「トヨタ生産方式」と言えば、「かんばん」

 

昔、NHKに連想ゲームという番組がありました。

 

いろいろとヒントを与えて答えを導きます。

 

相手がビジネスマンであれば

 

「トヨタ生産方式」が答えであれば、「かんばん」というヒントがいいでしょうし

 

「かんばん」が答えであれば、「トヨタ生産方式」というヒントがいいでしょう。

 

しかし、気を付けなければならないのが

 

「かんばん」イコール「トヨタ生産方式」ではありません

 

多くの会社が会社がなぜトヨタ生産方式を導入するかといえば

 

あらゆるムダを無くすことで、コストを下げ、売上を増やして利益の拡大を図るためです

 

じゃあ、「かんばん」をやれば、ムダな在庫が減るのでしょうか?

 

答えはNO!です

 

特に「かんばん」は在庫を減らすための強力な武器だと思っている人がいるかもしれませんが

 

「かんばん」だけ導入しても在庫は減りません

 

じゃあ、いったい「かんばん」は何のためにあるんですか?

 

と思われる人もいるでしょう

 

実は「かんばん」の基本的な機能は情報を伝えることです

 

別に「かんばん」でなくても、コンピューターでも情報を伝えられます。

(ただし、かんばんにはコンピューターにはない、かんばんとしての優位点があります)

 

じゃあ、在庫を減らすためにはどうしたらいいか?

 

かんばんを導入するかどうかではなく、売れた分だけ作る、使った分だけ買うことです。

 

1個売れたら1個つくる、1個使ったら1個買う

 

2個売れたら2個つくる、2個使ったら2個買う

 

これだけです。

 

「かんばん」を使わなくても在庫は減らせます

 

しかし、多くの工場は売れた分だけ作りません

 

1個売れても10個作ります

 

多くの工場は使った分だけ買いません

 

5個使っても100個買います

 

売れた分だけ作る、使った分だけ買う

 

これが出来なければ、かんばんを導入しようがしまいが、在庫は減りません。

 

自社の作る力、買う力がない中で「かんばん」だけやってもダメです。

 

実力がないなかで、声高に「かんばん」「かんばん」と言っても空回りするだけです

 

社長の会社は、「かんばん」に固執していませんか?

 

「かんばん」に限らず、手法に固執していませんか?