第10話:「もの」を減らして生産性を2倍にする

工場や倉庫でまず最初に見るのは

 

「もの」が多いか?少ないか?

 

企業は商品や製品を売ってなんぼの世界。「儲けを生み出す商品や製品、部品は多いに越したことがない」をいう声が聞こえてくるかもしれません。

 

どうせ売れるからと、たっぷり買う、どかんと作る、すると知らないうちに工場や倉庫は「もの」で溢れかえってしまいます。そんな組立現場だと、

 

・まずは必要な部品がどこか探さなければならない

・見つけたものが合っているか部品番号を確認しなければならない

・確認できたら、必要な部品の箱の上にある上と積まれている部品の箱をとりえあえず脇に積んで、必要な部品の箱を取り出さなければならない

・脇に積んだ部品をもとの部品の山に戻さなければならない

・取り出した部品を作業台まで運ばなければならない

 

なんてことを一日に何回も繰り返して、組立に必要な部品を取り揃えることになります。

これらの作業をどれだけやっても、組み立ては進まないし、これらの時間を合計するとかなりの時間になります。まさに大きなムダです。

 

組立作業者の動作を改善して組立作業が効率的になっても、それ以外の余計な準備作業はまったくの手付かずです。

 

もし、これが「もの」が少ない工場だと

 

・一つの作業が終わって次の作業に必要な部品はどこかと目をやると目の前に必要な部品が必要な数だけ置かれている

・その部品を使って組み立て作業を効率的におこなう

・作業を終えると次の作業に必要な部品が置かれている

 

儲けを生み出すはずの「もの」が多いときと、少ないときといったいどちらがいいでしょうか?

 

ものが多すぎると、本来やるべき組み立て作業以外の余計な作業が増えます。

 

探す、確認する、移動する、運ぶ、入れ替える、などなど

 

本来やるべき作業は余計な作業を比べると、余計な作業の方が大きいくらい。

 

ということは、「もの」を少なくするだけで、大きなムダはなくなり、生産性は2倍間違いないでしょう。

 

まずは、現場に足を運んで「ものが多いか?、少ないか?」確認してみてください。

 

そしてもし、「もの」が現場に山積みされていても決して悲観しないでください。

 

目の前にある「もの」が大きく減れば、生産性2倍も夢でないのですから。