第103話:働かされるから自ら働く

「ワカイさん、積極的にカイゼンに取り組んでくれているAさんが、最近仕事が楽しいと言うんです」

 

カイゼンの成果が経営数字に表れるのと同じ、いやそれ以上に社員がイキイキと働き出すのは、コンサルタントとしてうれしい限りです。

 

いったいどうしたらイキイキと働き出すのか?

 

当初、Aさんの職場はカイゼン活動ではあまり注目されていませんでした。

 

しかし、積極的にカイゼンに取り組むことで、いろいろと目に見える成果が出てきて社内でも注目されてきました。

 

作業分担を変え、仕事の進め方を変えると、毎月月末は残業だったのがほとんど残業をしなくてもすむようになったのです。

 

自らのカイゼンが目に見えるかたちで結果なって表れる。

 

練習をして記録が伸びる、勉強をして点数アップする、カイゼンに限らずスポーツも勉強も結果が出れば楽しくなり、さらに積極的に取り組みます。

 

そのためには上から言われるままにカイゼンするのではなく、自ら考え自ら行動して積極的に取り組める雰囲気づくりが大事です。

 

カイゼンがうまくいかなかったとき、「なんでそんなことをしたんだ」と社員を責めるのではなく、うまくいかなかったら俺が責任を持つと言ってくれる上司やトップがいないと、誰も成果がでるようなカイゼンに取り組みませんし、チャレンジしません。

 

トップや上司から押し付けられて働かされる社員と自らの意志で働く社員

 

トップも社員も後者が望ましいことは間違いありません。

 

そして、なにより大事なのは、場当たりのカイゼンで成果が出ないのではなく、成果につながる全体最適のカイゼンに取り組むことです。

 

そのためには社員任せのカイゼンではなく、トップがカイゼンの方向付けをする必要があります。

 

社長の会社の社員は、働かされていますか?自ら働いていますか?

 

社長はカイゼンの場づくり、カイゼンの方向付けをしていますか?