第11話:「コスト削減」だけなく、「売上拡大」を追求せよ
コスト削減も誤った方向に行くと
・海外調達で調達コストは安くなるが、品質上の問題が増えてお客様に迷惑をかけたり、調達に時間がかかり、お客様に納期でご迷惑をかけてしまう
・単金の安い外注に仕事を丸投げしたり、海外工場に生産を委託するが十分に管理できず、品質や納期に問題を起こし、お客様に迷惑をかけてしまう
・お客様サービスにかかるコストが削られて、お客様を怒らせたり、信頼をなくしてしまう
これらをコスト病なんて言う人もいる。コスト病は会社をつぶしかねない恐ろしい病気である。コスト病になると、お客様から見放され売上は落ちる一方である。
コスト病に陥らないようにするには、どうしたらいいか
それには、コスト削減だけでなく、同時に売上拡大を追求することだ。
売上拡大となると、営業の仕事。営業マンががんばるしかないという考えはNG
工場が誤った方向にコスト削減を進め、コスト病が進行してしまっては、いくら営業マンががんばっても無理。
工場は売上拡大につながるコスト削減をしなければならない。工場と営業が連携して、売上拡大を追求する。コスト削減とともに、工場でつくる製品の品質や、納入リードタイムが競合他社と比べて圧倒的に良くなれば、売上拡大に大きく貢献できる。
QCDのC(コスト)だけでなく、Q(品質)とD(納期)も同時に改善していくのだ。
ところが、Cを追求するとQとDはおろそかになるという言う人がいる。なにを隠そうわたしも昔はそう思っていた。しかし、それはやり方は間違っているのだ。
表面的な改善、部分的な改善で、コスト削減を進めると、品質は悪くなり、納期も長くなる。しかし、ものづくりのしくみ全体を適切な進め方で改善していけば、コストと品質と納期を同時並行で改善することはできる。
コスト削減には適切なやり方があるのだ。そしてもう一つ大事なことがある。
そんなコスト削減を実現するには、現場任せの改善ではなく、社長が先頭に立って改善を進めなければならない。経営につながる改善は社長なくしては決して達成できないのだ。