第19話:次の人のことを考えて仕事をする
昼食は移動の合間に食事を取ることが多いのでついつい、ファーストフードや牛丼屋へ
ただ、お昼の込み合う時間帯を外して食事がとれるときによく利用するのが餃子の王将
王将では肉や野菜などの食材から調理をするのでファーストフードや牛丼屋のようにすぐに出てくるのは期待できませんが意外に早く出てきます
お昼の込み合う時間も空いているときに比べれば時間が掛かりますが、他の飲食店に比べれば早い方です
なぜでしょうか?
満席のお客の注文をこなすために厨房に多くの調理人がいるのでは?
カウンター席に座って厨房を覗くと、中華鍋を握って調理している人は意外に少ない
店の規模にもよりますが、少ないところは1人、多いところでも2人くらいです
(厨房で料理を作っている人で中華鍋を握っている人以外は、餃子担当、麺担当くらい)
1~2名で数多くの注文をさばくだけあって、調理している人の動きはリズミカルで素早い
次から次へと料理が出来上がってきます。
野菜炒め、チャーハン、レバニラ炒め、焼きそば、中華丼、麻婆豆腐・・・・
やはり熟練の技なのかと思ってじっと厨房を見ていると、中華鍋を握っている人の近くに中華丼や天津飯のご飯をお皿に盛ったりしている人がいます
ご飯をお皿に盛っている人は麺をゆでる担当の人ですが時間的な余裕があるので、中華鍋を握っている人の仕事を部分的に助けているのです。
ご飯を盛ったり、調理に必要な食材を用意することで、中華鍋で調理する人が一人ですべてをおこなうより早く料理が出来上がります。
さらに見ていると、ご飯を盛っていた人がなぜかカットされた豆腐を、ラーメンを茹でるお湯で温めて、調理している人の前に置いたのです
豆腐の上に具を乗せる料理なんてあったっけ・・・・と思いつつ見ていると、なんのことはない麻婆豆腐用の豆腐だったのです
なぜ、わざわざ豆腐をお湯で温めるのか?
考えてみると麻婆豆腐の食材のなかで一番火が通りにくいのは豆腐。
豆腐を事前に温めておけば調理時間が早くなるということでしょう。
自分の後に仕事をやる人が、効率的に仕事ができるように、自分で何ができるか考える。単に豆腐を準備するだけでなく、調理する人が手早く調理できるように事前に豆腐を温めていたのです
工場であれば、たとえば部品倉庫から組立ラインに部品を供給するだけでなく、組立作業者が取扱いやすいように、部品の置き方を工夫する、など
自分の仕事が多少増えても、次の仕事をする人の仕事が楽になったり、早く終わるようになる。それが工場全体に広がった時、その工場の生産性は間違いなく2倍に以上になっているでしょう。
なんてことを考えつつ、結局ラーメン、餃子、チャーハンの3点セットを食べてしました。