第21話:軸足を切り換える
従来やり慣れたやり方から、新しいやり方に切り替えるのはなかなかうまくいきません
会議の進め方、営業の仕方、セミナーのやり方、ゴルフなどスポーツのフォーム、などなど
新しいやり方の方がいいと思っても、
もし失敗したら・・・・
成果がでなかったどうしよう・・・・
ちょっとやってみても、どうもしっくりこないから
やっぱり次回は従来のやり方に戻してみよう・・・・
しかし、こんな調子ではいつまで経っても進歩はありません
工場のカイゼン活動も同じです
たとえば、ものをつくるとき工場では、まとめてつくった方が効率的だという考えがまだまだ一般的です
しかし、大昔の大量生産大量消費の時代ならともかく、いまの時代まとめてつくることは売れ残りのリスクから好ましくありません
売れに合わせて必要な分だけつくることが、売上や利益の面、そしてキャッシュフローの面からも望ましいです
そういうと、工場の生産性や効率が悪くなると反論されます。
しかし、多くの工場はもともと大量生産を前提にものづくりのしくみが考えられ、そのしくみが多く残っています。
そこで、その工場のしくみを小ロットや一個流しのものづくりを前提につくり直せば大丈夫です
ただ、いくら理論的に筋が通っていても、そして頭で理解できても、なかなか行動に移して実行には至りません
もしやってみて、うまくいかなかったら常に後戻りできるように、あまり大きく変えずに少しだけ変えて様子をみます
これではいつまで経っても新しいやり方に変わることができません。
そんな工場が多く見受けられるのも事実です
ではどうするか?
そんなときはもう後戻りできないように、大きく変えてしまいます
まとめてつくるのに適していた大きな作業台から、一個流しや小ロット生産に十分な小さいテーブルにしてしまう
もしうまくいかなかったら、いつでも戻せるように工場の片隅に昔使っていた大きなテーブルを置いていてや、しばらくしてしまうと元の大きなテーブルに戻ってしまうので
大きなテーブルは倉庫の奥に押し込めてしまうか、思い切って処分してしまう
従来の考えから新しい考えに切り替える、一気に軸足を変えてしまい、簡単に戻れないようにするのです
しかし、強引に変えてしまうだけでは駄目です
大事なのは大きく変えて、あとは現場でうまくやってくれではなく
なにかうまくいかないことがあれば、どうすればうまくいくか、工場全体でバックアップして、うまくいくようにカイゼンをしていくことです
最初はうまくいかないところが多々あっても、一つひとつカイゼンすることでうまくいくようにしていく
最初は慣れないけれど、日々やってみて、いろいろな工夫と慣れでうまくいくようになる
そしていつか新しいやり方が自分のものになれば、大きな成果を得られるでしょう
カイゼンをしていくなかで、大きくやり方を変える、そんなタイミングがやってきます
そんなときは、まず一歩踏み出して、そして一気に軸足を切り替えてしまうことです