第62話:結果をつくるのでなく、プロセスを見直す

期首に目標を立て、計画をつくり、実行して、達成状況をチェックし、未達であればフォローする

 

いわゆる、PDCAのサイクル、どこの会社でもやっています。

 

今、社会的な問題になっている東芝の不適切会計は、このPDCAのサイクルがうまくまわらず、変な方向にいってしまったとしか思えません。

 

チェックしたところ、計画値を下回っていた時に、トップからこの数字を何とかしろと言われ、本来なら日々の実行を見直していくべきところを、

 

あまりにも短期間での実現不可能な数字の改善を求められたので、不適切な会計処理をしたのでしょう

 

これは会社の会計だけでなく、工場のものづくりカイゼンでも同じことが起こっています。

 

 

 

今期は在庫を半減させるという目標を立てて、期末に目標数字を達成できなくなるとどうするか?

 

数字を改ざんするのはもってのほかですが、改ざんしなくても次のようなことが多くの工場で起きています

 

・部品在庫を、期末の納入予定を数日延ばして期首の納入日に変更することで一時的に減らす。

(そのために手間を掛けて業者に交渉して、期首に一気に納品させる。おかげで現場は大混乱)

 

・仕掛品在庫、製品を工場から外部倉庫へ移動させ、見た目で減ったように見せかける。

(そのために工数と輸送費をかけて運搬する)

 

そんなことをしても一時的な対処であり、なにも根本的に変わりません。

 

しかし、トップやカイゼン指導しているコンサルタントから「何とかしろ!」と言われてやむなくやっているのです。

 

じゃあ、どうすべきか?

 

結果の数字をつくるのではなく、その結果をつくっているプロセスを見直すのです。

 

・なぜ、成果が現れないのか?

 

・いまのやり方のどこが悪いのか?

 

その際、闇雲にプロセスを見直してもうまくいきません。

 

そんなとき、カイゼンの設計図があればどこを見直すか、見当がつきます

 

ぜひ、自社のものづくりの現状のしくみやプロセスを明確にし、それをどのようなしくみやプロセスに変えるかの設計図をつくってみませんか

 

そうすることでカイゼンのPDCAのサイクルをうまく回すことができるようになります。

 

 

社長の工場は、数字だけ「何とかしろ!」と言っていませんか?